2009/04/24

ディパック・C・ジェイン学長の歓迎の言葉(要旨)

ディパック・C・ジェイン学長の歓迎の言葉(要旨)

おはよう。ケロッグにようこそ。
1983年に友人に女の子が生まれた時に立ち会った。今日この場に、その彼女が新入生として参加している。時間の流れを感じる。
まずは、私の過去について少しお話しよう。
私はテキサス州の大学で数学を教えていた。35歳の時に次の身の振り方を考えていた。ある人から、「数学だけでは限界がある、マーケティング分野に進むべき」、「ケロッグで職を得ること。マーケティングでは世界一だ」とのアドバイスを受けた。当時、私は「フォーカス・グループ」という言葉さえ知らないほどマーケティングに疎かった。
そういう訳でシカゴに来ることになった。数学者の私がケロッグでマーケティングを教えるようになったのには、タイミングが後押しした面がある。私が数学を多用したマーケティング手法をケロッグの審査委員会に説明したとき、ほとんど誰も興味を示していないように見えた。コトラー教授が手を挙げて「それがマーケティングなの?」と聞いたほどだ。
1982~1985年はマーケティングにおいてデータが力を持ち始めた時期だ。スーパーマーケットなどにバーコードが設置され、POSデータを集めることが可能になった。P&Gなど多くのCPG(Consumer Packaged Goods)企業が顧客インサイトを得るため数学や統計モデルを使ってPOSのデータ分析を始めた。現在のCRMの原型となったデータベース・マーケティングが生まれたのだ。

ケロッグは1985年、企業の採用担当者を対象とした「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙のアンケート調査で1位になった。何がケロッグの評価を押し上げたのか。それはジェイコブス前学長が取り組んだ次の3点を柱とした変革による。
1.入試において全ての学生と面接する。それまでは、成績の良い生徒だけを採っていた。しかし、人の資質で大事なのは「姿勢」だ。スキルは後からついてくる。
2.基礎学問(basic disciplines)に強みを持つ教授陣を整えた。ほとんどの教授が基礎科学分野の博士号を取得している。教授は新たなビジネス・コンセプトを日々作りだす一方、生徒が実際のビジネス経験を持ち込むという構造ができた。授業が情報共有の場となった。また、新たなことに挑戦する姿勢を持つ若い教授を長期的に育てる方針を採り、教授陣のケロッグに対するロイヤリティーを高めていった。
3.卓越したEMBAプログラムを作った。EMBAの生徒は、MBAのレピュテーションを高めるのに貢献した。良い生徒を集め、学校の評価を上げるのに最も重要なのはクチコミだ。EMBAの卒業生はクチコミを広めるとともに、ケロッグのフルタイムの生徒を採用するようになっていった。

今後、ケロッグが取り組むのは主に次ぎの3つの課題だ。
1.競合する他大学との差別化を図る。
2.卒業生のネットワークを強化する。卒業生が学問的・社会的にケロッグとの強い繋がりを維持できるようにする。
3.グローバルなブランド価値を高める。グローバル化された世界において、どの地域でもケロッグの価値が認知されるようにする。ケロッグの提携校を世界中に増やしている。

ケロッグでは、プロフェッショナルな面でも、パーソナルな面でも、ベストな経験ができるだろう。そして忘れてほしくないのは、大きな困難に直面したとき、それよりもさらに大きな推進力を持っているということだ。ケロッグが後ろに控えている、そのことを忘れないでほしい。

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